【文化史・民俗学】 | |
背負梯子の研究 織野英史著 B5判上製 334頁 定価:本体14,286円+税 ISBN4-87449-228-2 C3039 1994年刊行 在庫僅少 |
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【内容紹介】 | |
本書は ”物を背負って運ぶ“という基本的な運搬方法の研究における最新の研究史である。日本の背負梯子研究は礒貝勇、小野重朗と受継がれ、織野に至って東アジア、東南アジアとの比較研究に及び、民族文化の伝播と方法という領域にまで踏み込んだ。日本各地に存在する背負梯子の型、寸法、材質等を細部にわたり記録。韓国・中国へと伝播の源をたずねた記録は、学問の原点である、人の誕生と移動を考えるための貴重な資料となる。 |
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【著者プロフィール】 | |
織野英史(ほそのひでふみ) 1953年高松生まれ。香川県立高松商業高校・教諭 瀬戸内歴史民俗資料館主任専門職員等を歴任。「瀬戸内海の船図および船大工用具」2813点の重要有形民俗文化財指定を担当。四国民具研究会事務局長兼幹事。日本民具学会理事。日本民俗学会会員、日本海事史学会会員等 ◆主要論文:第三回日本民具学会研究奨励賞受賞「瀬戸内周辺の背負梯子の形態と伝搬」 「槍屋製作の軟棒」 『瀬戸内海 歴史民俗資料館紀要』第17号.2005掲載、他多数 |
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【主要目次】 |
序 章 広域調査論 第1章 背負梯子の形態と分布 分類法と調査の経緯 豊後茸師と有爪背負梯子の伝播 多桟型背負梯子の分布と伝播 宇和海周辺の無爪型とL字形オイコ 瀬戸内東部型有爪化背負梯子の成立 背負梯子の成立を考える 背負梯子の呼称分布 今後の問題 第2章 韓国西南部のチゲ 全北型チゲの縦木湾曲と素材 済州島のチゲ 第3章 トージンを冠する背負梯子 トージンの語源 豊後型の成立と呼称 第4章 背負梯子の用途と形態 川尻の無爪型と有爪化型‐ 西日本の収穫用背負梯子‐ 関東、東北の大型無爪型 第5章 背負梯子の素材と形態 国山地における背負梯子の縦木湾曲と素材 瀬戸内におけるネズミサシ利用の有爪化背負梯子 第6章 縄文化の系譜 縄をそのまま使う運搬 背負縄の用途と背負梯子‐縄文化の系譜‐ 肥用土用背負籠の形態 第7章 辺塚の背負縄と背負梯子 調査の経緯と調査地の概要 辺塚の背負縄カリノ カリーの形態と系譜 オナゴガリーの製作 調査の現状と課題 背負梯子調査データ覧表 |
第8章 上灌子遺跡出土背負梯子形木製品 調査の経緯と出土遺跡について 背負梯子形木製品の出土状態 ホゾ差し式木製品 股(枝木)式形木製品 組み合わせの可能性 可能性としての結論 第9章 雲貴高原の背架 従来の研究と問題の所在 楚雄彝族自治州の背架 大理白族自治州の背架 貴州の背架と柴叉 独創理論の検証 貧弱な絵画史料 数値が示すつの背架文化 雲南だから照葉樹林文化か 第10章 描かれた背架 『玄奘蔵像』笈の縦木湾曲 『慕帰絵詞』の笈 『谿山行旅図』の背架 狩野山雪『季耕作図屏風』のチゲ チゲを描いた風俗画 その向こうに西アジアがあるか 『清明上河圖』の世界 第11章 秦嶺の背架と托架 問題の所在‐前提としての有爪化評価‐ 叉子 托架 背架 考察 第12章 名付けの責任 背負梯子から負い梯子まで 新標準名候補と問題点 片仮名標記の氾濫 |
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