【文化史・民俗学】
神の国の祭り暦
  

勝部正郊著

A5判上製 316頁
定価:本体3,800円+税
ISBN4-87449-232-0 C3039

2002年刊行
在庫有
【内容紹介】

祭りは「たてまつる」に通じる。すなわち神・仏に御食・御酒・幣などをさしあげる儀式が祭りである。物をさしあげると、神・仏は喜び、霊魂や御徳を増やし、その強くなった魂や徳を、今度はわれわれに分け与えてくださる。これを「御霊のふゆを蒙ふる」という。 祭りの古い形では、神様に食べ物をさしあげると、神様はそれを召上り、自ら歌を歌い、舞い、踊りをなさる。さしあげた者もそれを戴いて歌を歌い、舞い、踊りをする。いわゆる神と人とが一緒になって饗宴をする。それを相嘗祭(アインベノマツリ・アイナメマツリ)と称する。出雲・隠岐・石見の、三国は、かつて「根の国」といわれ、また遠国といわれてきた。いわばエキゾチックな神の国である。本書は古代から中世を経て21世紀に残る、祭りの心と形を月別に紹介。



由来八幡宮の頭屋祭・黨渡し式

玉若酢命神社御霊会・馬入れ
【著者プロフィール】

勝部 正郊(かつべ まさひら)
1924年、島根県飯石郡掛合町に生まれる。慶応義塾大学文学部卒業。現在、山陰民俗学会代表理事、島根県立看護短期大学非常勤講師、島根県高齢者大学校主任講師
【主要目次】

◇「祭り」について
◇大社町吉兆神事‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)一月
◇日御碕神社の和布刈神事‥‥‥‥(出雲)一月
◇かりや行事‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)一月
◇伊奈頭美神社のお的神事‥‥‥‥(出雲)一月
◇笠浦の龍神祭‥‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)一月
◇小伊津の歳神祭‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)一月
◇大祭天石門彦神社の贄狩祭‥‥‥(石見)一月
◇沢田の大元申し‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)一月
◇意多伎神社管粥祭‥‥‥‥‥‥‥(出雲)二月
◇田村神社七日塔‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)二月
◇佐太神社管粥神事‥‥‥‥‥‥‥(出雲)二月
◇山中八幡宮のお改め神事‥‥‥‥(石見)三月
◇隠岐五箇村長尾田の客祭‥‥‥‥(隠岐)四月
◇隠岐国布施の大山祭‥‥‥‥‥‥(隠岐)四月
◇美保神社青柴垣神事‥‥‥‥‥‥(出雲)四月
◇縄久利神社古伝花傘神事‥‥‥‥(出雲)四月
◇佐太神社直会祭‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)五月
◇水若酢神社の山曳神事‥‥‥‥‥(隠岐)五月
◇黒沢の田囃子祭‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)五月
◇玉若酢命神社御霊会‥‥‥‥‥‥(隠岐)六月
◇出雲大社涼殿祭‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)六月
◇大原神職神楽託宣神事‥‥‥‥‥(出雲)七月
◇隠岐島前神楽玉蓋・御門開き‥‥(隠岐)七月
◇角井八幡宮御田植祭‥‥‥‥‥‥(出雲)七月
◇須佐神社の切明神事‥‥‥‥‥‥(出雲)八月
◇物部神社の田面祭‥‥‥‥‥‥‥(石見)九月
◇安田八幡宮七十五膳献上の祭‥‥(出雲)九月
◇佐太神社御座替祭‥‥‥‥‥‥‥(出雲)九月
◇須我神社古伝「鹿食神事」‥‥‥(出雲)九月
◇下阿位八幡宮押輿祭‥‥‥‥‥‥(出雲)十月
◇櫛代賀姫神社の「引き分け角力」と「針拾い神事」‥‥(石見)十月
◇隠岐国神の相撲‥‥‥‥‥‥‥‥‥(隠岐)十月
◇一つ物の神幸‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)十月
◇熊野大社鑽火祭‥‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)十月
◇大元神楽の御綱祭‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)十月
◇大田両八幡宮の神幸祭りと高野聖‥(石見)十月
◇隠岐武良祭‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(隠岐)十月
◇耳浦山神社のデヤンナ祭‥‥‥‥‥(隠岐)十月
◇由来八幡宮の頭屋祭‥‥‥‥‥‥(出雲)十一月
◇志津見明剱神社の紅葉祭‥‥‥‥(出雲)十一月
◇出雲大社古伝新嘗祭‥‥‥‥‥‥(出雲)十一月
◇物部神社鎮魂祭‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)十一月
◇下須の萬歳楽‥‥‥‥‥‥‥‥‥(石見)十一月
◇出雲のお忌祭‥‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)十一月
◇荒神祭‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(出雲)十一月
◇出雲国造火継神事‥‥‥‥‥‥‥(出雲)
◇中世以前の祭
※参考資料

【関連書の紹介】

出雲神楽の世界

出雲神楽の初段の祭式であり、各地の神楽に大きな影響を与えてきた「七座神事」の成立過程を具体的に考察。神楽と民衆の関係や、舞の所作、呪術性にもふれる。

勝部月子著
A5判上製カバー  259頁
ISBN : 978-4-87449-243-7
発行年月 : 2009.3

雪の民具
 
  
勝部正郊著
A5判上製/368頁 
定価:本体6990円+税
ISBN4-87449-126-X 
 1991年刊行

 

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