【文化史・民俗学】
近世日本蜑人伝統の研究
    
田辺 悟著


A5判上製334頁
定価:本体6,500円+税
ISBN4-87449-088-3 C3021

1998年刊

在庫有
【内容紹介】

裸潜水漁撈者である蜑人(海士・海女)の近世および、明治期を含めた近・現代における史的実態を実証的に明らかにした充実の学位論文


 本書は、これまで空白になっていた近世における蜑人の存在を明確にとら え、漁業史、漁村史、あるいは漁業経済史等に分化した日本の歴史研究 の史的背景を統合し、民俗学的にもわが国における蜑人(広い意味での 海人あるいは海人族)を実証的に把握した。この空白の部分がうめられ、 史的背景が明確にされたことにより、日本の海洋民の古代史研究にも大 きく門戸が開かれ「古代日本蜑人(海人)族の研究」の基礎が築かれたと いえる。日本民族文化の源流を探り、沿岸文化を明らかにするための資料 として重要であり、大きな意義をもつ。
【著者プロフィール】

田辺 悟(たなべさとる)
1936年、横須賀市生まれ。法政大学社会学部卒業。横須賀市自然博物館・人文博物館館長を経て、現在、千葉経済大学教授・文学博士。
【主要目次】

序 論(はじめに)

第一部 蜑人伝統の歴史学的研究
 第1章 相州における蜑人の史的考察
  第2章 豆州における蜑人の史的考察
  第3章 房総における蜑人の史的考察
  第4章 東北における蜑人の史的背景と系譜
  第5章 各地域における蜑人の史的背景と系譜

第二部 蜑人伝統の明治期における書史的研究
  第1章 『日本水産捕採誌』及び『日本水産製品誌』における裸潜水漁
  第2章 『長崎県漁業誌』と裸潜水漁
 第3章 『熊本県漁業誌』と裸潜水漁
 第4章 福島県『明治十二年水産旧慣調』 と裸潜水漁
 第5章 『三重県水産図説・図解』と蜑人
 第6章 『福井県漁具図』その他の「水産資料」と蜑人
 第7章 「水産資料」の利用価値

結 論(まとめ)
【関連書の紹介】 海浜生活の歴史と民俗
田辺 悟著
A5判上製600頁写真24・図13・表22 
定価:本体13000円+税
ISBN4-87449-134-0 C3039

伝統的なアマ漁、海藻採取および、カツオ・タコ・イワシ・タイ・マグロの沿岸漁業の史的背景、漁法・魚種、漁撈習俗・俗信・信仰、漁撈に関わる気象の予測、潮流の呼称などを採録。漁撈経済発展の背景を明らかにする。
伊豆相模の民具  在庫僅少
  
田辺悟著   A5判上製/300頁
   定価4000円+税  
4-87449-117-0


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