【博物館学】 | |
博物館学特論 ―博物館と考古学の接点を求めて 鷹野光行著 A5判 並製 212頁 定価:本体2,800円+税 978-4-87449-244-4 C1037 2010年5月刊行 |
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【内容紹介】 | |
●博物館のあり方を改めて問う! 【まえがきより】 いまの職を得て、まもなく30年になる。ということは私の博物館学との関わりもそれだけの年数がたったということである。今般.自分にとって区切りの年を迎えたこともあり、それを機会にいままで発表してきたものを見直してみた。 博物館をめぐってはその存在を危うくするような社会の流れにさらされ、冬の時代であるとか、氷河期だなどと危機的な状況にあることばかり強く喧伝されているように思う。博物館はだれもが夢を持って楽しく学べる場であるはずなのに、どうしてこうなってしまったのだろう。博物館が変わってしまったのか、利用する人が変わってしまったのか。ここ30年の間に社会が、もっと大げさに言えば文化が変わってきていることは自分自身の実感として感ずるところもある。博物館は社会の変化とは別の次元での不変の存在でなければならない部分もあるだろうが、その存在基盤が社会にある以上、社会の変化に対応しなければならない変化もあり得ることである。30年近く前に書いた一文を読み直してみたところ、今でも同じことを言いそうだな、というものがあった。そうすると、博物館は変わらなければならなかった所が変わっていないのではないか、そんな気持ちにもなった。 そこで.この拙文集には、これまで発表してきたものの中からあまり人目に触れる機会の少なかったであろうものを中心に選び、原則として古いものもそのまま、内容やデータに手を入れずに再掲することとした。題名も変えていない。ただ、重複する記述のあるところ、明らかにおかしな表現や語句はできるだけ正し、あまりにも古いデータについてはできるだけ最新の情報を「注」にして示した。講演させていただいたところでの記録は、口調はそのままにし、全体で統一をとることはしなかった。その講演がどのような背景・場でおこなわれたかを示した方がよいと考えたものについては本文の冒頭や末尾にその説明を入れたところがある。また編集部の勧めに従って、原文にはないものでも、写真をできるだけ取り込むことにした。全体を大きく4つのジャンルに分け、それぞれの中では発表年代順に並べた。最後にまとめて発表年などをしるしたが、章が変わると急に25年も前の内容に戻ってしまう、という箇所も生じたがご寛恕願いたい。 2010年1月15日 |
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【著者プロフィール】 | |
鷹野 光行(たかの みつゆき) 1949年東京都生まれ。1972年東京大学文学部卒業、1979年東京大学大学院博士課程単位取得。日本学術振興会奨励研究員、市原市教育委員会勤務後、1981年お茶の水女子大学講師、助教授、1996年教授、現在に至る。生涯学習審議会専門委員(社会教育文化審議会)、お茶の水女子大学評議員、日本ミュージアム・マネージメント学会理事などをつとめ、現在文部科学省「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」委員、お茶の水女子大学附属学校部長。 [主な著作] 『縄文文化の研究4』(共著)、『人間の発達と社会教育学の課題』(共著)、『新版博物館学講座』第六巻・第12巻(責任編集) |
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【主要目次】 | |
はじめに 第1章 博物館を考える 博物館の現状をめぐって/展示の意義について/社会教育と文化 −文化財保護の観点から−/博物館をつくろう/制度からみた博物館/エコミュゼと生涯学習/博物館ボランティアを考える/これからの中小地方博物館の在り方/文化財保護機関としての博物館の成り立ち/博物館とは何か 第2章 学芸員の制度をめぐって 学芸員をめぐる課題−解決への方策を探りながら−/「博物館情報論」と「博物館経営論」/日本学術会議の二つの報告を読んで/学芸員養成に関する大学の課題 第3章 博物館実習のあれこれ お茶の水女子大学の実習の現状/学芸員養成における博物館実習について/博物館実習を考える 第4章 考古学と博物館 野外博物館の効用−遺跡を活用する視点から−/博物館資料としての考古学資料/遺跡の整備・活用について−タイにおける事例を中心に− /イタリア共和国・タルクィニアの調査 おわりに |
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