[考古民俗叢書]について |
生活文化史の根源を形成するのは、モノであり、技術であり、その二面の相関性によって持続される時間的成果が歴史ということになろう。そのモノの発生と機能を有史以前から探究する学は考古学であり、それは歴史時代に入ってからも、歴史考古学としてモノの成り立ちと仕組みの意義を提供しつづける。他方、そのモノは、深く人間の生活に浸透し、多様な関わりのなかで、技術、信仰、儀礼など、社会との連動のなかで習俗として定着していく。それが民俗学の一面である。 この二面を常に連結していく広がりのなかで、人間文化とは何か、を思考しつづけていこうとする目途をもって企画されたのが、当社の「考古民俗叢書」である。 当然、執筆は、考古学者は考古学の眼をもって、モノから生活への追究の眼差しを見せる。また、民俗学者は、習俗・儀礼などの精神性の面から、それらの支えるモノの持つ意味までも見透す意識を、自らに課すことになる。それによって、学問の幅と深度が広がるといえよう。 たとえば最新刊の『民家と日本人-家の神・風呂・便所・カマドの文化』(著者 津山正幹)を見よう。ここに挙げられたサブタイトルのモノ、そして家に住む家族の安全、つまり家内安全を願う人の願いが、家の神となって反映されていることが知られるのだ。モノは一つ一つ意味があり、集成されるそのモノたちの関係が独自の世界を形成していく。いわゆる日本文化はこのようなモノと、モノに関係するひとの心が、その個性を形造っていることが知られるのである。それを一地域として捉えた一書に、『京文化と生活技術―食・職・農と博物館』(著者 印南敏彦)がある。綿密な調査のもとに、伝統的な民俗民貝(モノ)の重要性が語られる。 「考古民俗叢書」は昭和40年代から刊行され、今も継続刊行中である。さらなる新展開をはかっている。 (慶友社・編集部) |
【考古民俗叢書】刊行順一覧 | ||||||
書 名 | 編著者 | 判型 | 本体 | ISBNコード | 在庫 | |
40 | 人の移動の民俗学 | 松田睦彦著 | A5 | 10,000 | 978-4-87449-140-9 | 有 |
39 | 半島のくらし | 小島孝夫/田中宣一編 | A5 | 8,000 | 978-4-87449-139-3 | 有 |
38 | 東アジア先史学・考古学論究 | 甲元眞之 | A5 | 9,500 | 978-4-87449-138-6 | 有 |
37 | 民家と日本人 | 津山正幹 | A5 | 3,800 | 978-4-87449-137-9 | 有 |
36 | 京文化と生活技術―食・職・農と博物館 | 印南敏秀 | A5 | 13,000 | 978-4-87449-136-2 | 有 |
35 | 縄文のムラと住まい | 村田文夫 | A5 | 3,500 | 4-87449-135-9 | 有 |
1 | 信濃民俗記 | 向山雅重 | A5 | 4,854 | 4-87449-101-4 | 有 |
2 | 季節の神々 | 西谷勝也 | A5 | 3,398 | 4-87449-102-2 | 有 |
3 | 南九州の民具 | 小野重朗 | A5 | 4-87449- | 品切 | |
4 | アイヌの農耕文化 | 林 善茂 | A5 | 4-87449- | 品切 | |
5 | 民具入門 | 宮本馨太郎 | A5 | 3,398 | 4-87449-105-7 | 品切 |
6 | 続信濃民俗記 | 向山雅重 | A5 | 4,369 | 4-87449-106-5 | 品切 |
7 | 日本民族文化の研究 | 国分直一 | A5 | 品切 | ||
8 | 伊豆諸島の社会と民俗 | 大間知篤三 | A5 | 品切 | ||
9 | 出雲隠岐の民具 | 石塚尊俊 | A5 | 品切 | ||
10 | 南島先史時代の研究 | 国分直一 | A5 | 品切 | ||
11 | 祭りの原理 | 吉野裕子 | A5 | 3,398 | 4-87449-111-1 | 品切 |
12 | 沖縄の民具 | 上江洲均 | A5 | 4,000 | 4-87449-112-X | 品切 |
13 | 中国考古論叢 | 駒井和愛 | A5 | 6,800 | 4-87449-113-8 | 品切 |
14 | 加賀能登の生活と民俗 | 長岡博男 | A5 | 3,800 | 4-87449-114-6 | 僅少 |
15 | 環シナ海民族文化考 | 国分直一 | A5 | 品切 | ||
16 | 稲倉考 | 八幡一郎 | A5 | 品切 | ||
17 | 伊豆相模の民具 | 田辺 悟 | A5 | 4,000 | 4-87449-117-0 | 僅少 |
18 | 台湾考古民族誌 | 国分直一 | A5 | 7,000 | 4-87449-118-9 | 品切 |
19 | 沖縄の暮らしと民具 | 上江洲均 | A5 | 5,000 | 4-87449-119-7 | 品切 |
21 | 伊那農村誌 | 向山雅重 | A5 | 5,000 | 4-87449-121-9 | 有 |
22 | 骨角器の研究 縄文編T | 金子浩昌 | A5 | 8,000 | 4-87449-122-7 | 品切 |
23 | 骨角器の研究−縄文篇U | 金子浩昌 | A5 | 9,500 | 4-87449-123-5 | 有 |
24 | 東北の民俗 海と川と人 | 国分直一 | A5 | 5,000 | 4-87449-124-3 | 僅少 |
25 | 盃状穴考 その呪術的造形の追跡 | 国分直一 | A5 | 3,495 | 4-87449-125-1 | 品切 |
26 | 雪の民具 | 勝部正郊 | A5 | 6,990 | 4-87449-126-X | 僅少 |
27 | 日本の鉄器文化 鍛冶屋の比較民俗学 | 朝岡康二 | A5 | 11,650 | 4-87449-127-8 | 品切 |
28 | 東アジア地中海の道 | 国分直一 | A5 | 10,000 | 4-87449-128-6 | 僅少 |
29 | 鍛冶の民俗技術 増補版 | 朝岡康二 | A5 | 6,000 | 4-87449-129-4 | 有 |
30 | 徳山村民俗誌―ダム水没地域社会の解体と再生 | 田中宣一 | A5 | 16,000 | 4-87449-130-8 | 有 |
31 | 古代王権と武蔵国の考古学 | 増田逸朗 | A5 | 8,200 | 4-87449-131-6 | 有 |
32 | 現代供養論考―ヒト・モノ・動植物の慰霊 | 松崎憲三 | A5 | 9,500 | 4-87449-132-4 | 有 |
33 | 民俗信仰 日本の石敢當 | 小玉正任 | A5 | 13,000 | 4-87449-133-2 | 僅少 |
34 | 海浜生活の歴史と民俗 | 田辺 悟 | A5 | 13,000 | 4-87449-134-0 | 有 |
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